高血圧治療補助アプリCureAPP HTを導入しました―特徴や費用について解説―
高血圧の薬は一生飲まないと行けないんですか?
外来で聞かれて、一瞬返答に困ってしまう質問です。
確かに現在の高血圧治療薬は体質を改善させる類のものではないため、「飲めば血圧は下がるがやめると上がってしまう」薬です。
また、1剤でのコントロールが難しい場合には何種類かの薬を使う必要があることもあります。
- なんとか薬をやめたい
- 薬の数を減らしたい
こういった患者様の声にお応えできる可能性のある高血圧治療補助アプリCureApp HTについて本日は紹介していきたいと思います。
日本初の保険適応をとった高血圧治療アプリ
病気をサポートする無料アプリもたくさん出ていますが、このアプリは有料になります。2022年9月1日より、本アプリを組み込んだ指導プログラムの保険適用が開始されています。
具体的には、CureApp HTというアプリを用いての生活習慣の修正、患者による血圧測定、医師の指導を組み合わせた6カ月間の短期集中プログラムになります。
高血圧版ライザップ!?
アプリを通して何をするかといいますと、クイズ形式で高血圧に関する知識を学んでいったり、「週に2回は散歩する」などといった目標を設定し、その達成を確認していったり、血圧を測定し、その数値を提出したり、といったかたちになります。

CureApp HT ホームページより(https://cureapp.co.jp/productsite/ht/forpatient/program.html)
ひとつひとつは外来でもやっていることですが、例えば、血圧測定も医師に提出すると思うと、生活習慣もいつも以上に注意する、生活習慣の修正も外来で1ヶ月に1回言われてだけではなかなか難しいところを継続的にアプローチされることで意識が変わってくる、これを6ヶ月間の短期集中プログラムで行います。
短期集中プログラムで生活習慣の変容を促すなんて、高血圧版のライザップといったところでしょうか。
臨床試験で効果が確認されている
このアプリの効果は国内で未治療の高血圧患者さん390名を対象に行った臨床試験(HERB-DH1試験*)で確認されています。
HERB-DH1試験
HERB-DH1試験は、降圧薬による内服治療を受けていない高血圧患者(I度またはII度高血圧、20歳以上65歳未満)さんで、スマートフォンを日常的に携帯している方を対象に行った第Ⅲ相臨床試験です。
主要評価項目は「治験登録後12週時における自由行動下血圧測定(ABPM)による24時間の収縮期血圧のベースラインからの変化量」とされ、結果は以下の通りでした。

12週後のABPM(24時間血圧自由行動下血圧)はアプリ介入群て゛-4. 9 mmHg、対照群て゛-2. 5 mmHg改善しており、群間差は-2. 4 mmHg(95%信頼区間:-4. 5?-0. 3 mmHg,p=0. 024) と有意な改善を認めました。
費用
原則月に1回の受診で、通常の診察費の他にアプリによる治療費として3割負担の方で初回約3000円、以降2500円程度、半年で16000円弱の費用がかかります。
治療で使用できるようになって日がまだ浅いこともあり、長期的な効果等はまだ不透明なところもありますが、今まで外来受診時という「点」しか管理されていなかった高血圧がアプリを通して「線」で管理されることにより、より充実した高血圧治療が受けられる可能性があります。
当院でも2023年4月より当アプリを採用しておりますので、興味のある方は外来でご相談ください。
*Kario K et al. Efficacy of a digital therapeutics system in the management of essential hypertension: the HERB-DH1 pivotal trial. Eur Heart J. 2021;42(40):4111-4122
乾小児科内科医院
c Inui pediatrics and internal medicine clinic

