【医師が解説】気圧や天候の変化と頭痛の関係:対策や治し方は?
先日梅雨入りしましたが、どんよりした雨の日は頭痛で来院される方が多くなります。
実は「天気痛」という言葉があるほど、気圧や天候の変化と頭痛は関係が深いのですが意外と知られていません。
今回は、気圧や天候の変化によって起こる頭痛の原因や症状、予防対策から治療までご説明します。
なぜ気圧や天候の変化で頭痛が起きるのか
気圧が変化すると、耳の奥の内耳にある気圧センサーが変化を感じ取り、自律神経系の交感神経の働きが活発になります。
交感神経の働きが活発になると、血管を収縮させ、心拍数を上げて体を興奮させるように作用します。
内耳が気圧の変化に敏感な方は、少しの気圧や気候の変化が脳へ過剰にシグナルとして伝わることで自律神経のバランスが乱れ、頭痛が起こると考えられています。
頭痛を誘発しやすい気象条件
どんな気象条件が頭痛を起こしやすいかについて行われた調査では、
- ・低気圧 32.4%
- ・雨天 31.1%
- ・高湿度 31.1%
- ・強い日差し 27.3%
- ・気圧低下 27.3%
- ・高温 24.7%
などが頭痛を起こしやすく、片頭痛をもつ方の71%が天候の変化により頭痛発作が誘発されたと報告されています。
また別の研究では、標準大気圧(1013hPa)から6-10hPaと微小な気圧低下時に、最も片頭痛の起きる頻度が高いことがわかっています。
卑弥呼も頭痛持ちだった?
実は、邪馬台国の女王卑弥呼は片頭痛持ちだったのではないかと言われています。卑弥呼は気圧の変動を誰よりも早く察知し、低気圧の到来を予見できたため、雨乞いやお祈りによって雨を降らすことができたと考えられているのです。
治療法
治療はお薬での治療が主体となります。頭痛発作を消失させる急性期治療と毎日服用して頭痛発作の頻度や程度を減らす予防療法があります。
急性期治療のみでは日常生活に支障をきたす場合は、片頭痛発作の頻度や重い症状が続く時間を減らすために予防療法を組み合わせて治療を行うのが原則です。
予兆がある方の場合には、予兆を感じた時点で予防のお薬を飲むことで頭痛発作を阻止できます。
自分でできる対策
お薬の治療だけでなく、ご自身でできる対策についてみていきましょう。
耳マッサージ
(1)-(4)のマッサージを1日3回、痛みの出ない程度の力で行います。
- (1)耳を上下横に5秒ずつ引っ張る
- (2)耳の横の部分をつまみ、軽く引っ張りながら後ろに向かって5回ゆっくり回す
- (3)耳の下に親指を当て、上に人差し指を当てて上下に折り曲げる。この状態で5秒キープする
- (4)耳全体を手で覆い、後ろに向かって円を描くようにゆっくり5回回す
充分な睡眠
疲れたり寝不足な時は頭痛が起こりやすくなりますのでゆっくりとよく寝るようにしましょう。
ぬるい温度での入浴
体をあたためたりマッサージをしたりすることで症状が改善することがあります。温かいタオルで首・肩を温めたり、ぬるい温度のお風呂で体を温めてみたりするのも効果的です。お風呂は熱すぎると脱水になりかえって症状が悪化してしまうこともありますので注意しましょう。
日記やアプリの利用
天候の変化によって誘発される片頭痛発作に対しては、頭痛発作を予測する方法もあります。天気予報や気圧の変化から頭痛を予測する日記やアプリを利用することにより頭痛が起きやすいパターンを把握し、対策が取りやすくなります。
有名なアプリとしては
- ・気象予報士が開発した「頭痛ーる」
- ・頭痛の症状を細かく記録し、原因を探す「頭痛ろぐ」
- ・頭痛センターを持つ北里研究所病院と、株式会社ジェイマックシステムの共同研究で生まれた「頭痛Click」
などがありますのでご自身にあったものを利用されるとよいでしょう。
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