朝食を抜くと動脈硬化が悪化 理由と改善のコツ|高崎市 乾小児科内科医院|アレルギー科・循環器内科(心臓血管内科)

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朝食を抜くと動脈硬化が悪化 理由と改善のコツ

2021.04.16

 
 

「生活習慣病」と呼ばれる病気は、動脈硬化の原因になることが知られています。メタボで生活習慣病を起こしている方は、「食べ過ぎ」「飲み過ぎ」「運動不足」などライフスタイルに見直す余地があることもしばしばです。

中でも食習慣は、毎日のことだけに影響も大きく、ちょっとした見直しでも大きな効果が得られることもあります。

「1日3食規則正しくたべる」ことはとても重要ですが、「あまり気にしていなかった」、「朝は忙しくて食べないことが多い」という方も少なくありません。

今回は、朝食の重要性についてみていきましょう。

 

朝食…なかなかとる時間がない

朝は忙しく、なかなか時間がとれないため、朝食を簡単にすませたり、とらなかったり、という方は少なくありません。

2019年国民健康・栄養調査によれば、朝食をとらない方は男性の14.3%、女性の10.2%に上ります。中でも、40代男性は28.5%、30代女性は22.4%と高率に朝食をとっていません。

また、若い世代の食習慣に関して農林水産省が行ったweb調査では朝食を「ほとんど毎日食べる」と回答した方が半数以上でしたが、一方で「ほとんど食べない」と回答した方が2割を超えていました。

起床から外出までの時間との関係では、1時間未満の人の3割以上が朝食を「ほとんど食べない」と回答しており、1時間以上ある人が17~18%に対して高率でした。時間的な余裕のなさが朝食をとらない一因かもしれません。

 

動脈硬化は朝食をとらない方に多い

こちらは、スペイン・マドリードの銀行職員40~54歳の男女約4000人を対象に朝食と動脈硬化の関係を検討したものです。

1日の総エネルギー摂取量に占める朝食のエネルギー摂取量の割合により、参加者を3群に分類。「高エネルギー朝食群」は朝食からの摂取が20%を超える集団、「低エネルギー朝食群」は5~20%の集団、「朝食抜き群」は5%未満の集団としています。

その結果、朝食抜き群は高エネルギー朝食群に比べて、非冠動脈性動脈硬化症で1.55倍、全身性動脈硬化症で2.57倍、リスクが高かったことがわかりました。

つまり、朝食をとらない方は、朝食をしっかりとる方よりも動脈硬化が起こりやすいのです。

 

朝食はからだの目覚まし

体には1日のリズムを作る体内時計がそなわっており、朝起きて光を浴びて、目から入る光の刺激でリセットされます。体内時計のリズムを整えるためにも、朝食は大切です。

例えば糖尿病の方は、朝食をきちんととることで、インスリンが分泌され、時計遺伝子が発現して体内時計がリセット。眠りから活動に向かうリズムが整えられます。

 

早起きは三文の徳

朝食をとった方がいいことはおわかりいただけたでしょうか。とはいえ、「朝はあまりお腹がすかない」「なかなか時間がない」そんな方も多いはず。

農林水産省の調査によれば、朝食を抜いていたり、少量しかとらなかったりする方の多くが起床から外出までの時間が1時間以内であり、時間に余裕がないのも1つの原因のようです。

「朝食を抜き、その日の最初の食事が昼食で、夕食を食べる時刻も遅い…」
そんな生活スタイルを見直し、
「いつもより少し余裕をもって起きて、時間をかけてしっかりと朝食をとる」

その結果、動脈硬化が防げる。まさに早起きは三文の徳なのです。

 

朝食を食べることで食べ過ぎを防げ、肥満を予防できる

朝食を食べずに空腹の状態で昼食を食べると、空腹感が強まり「ドカ食い」をしがちになったり、3食以外の「間食」が増えたりする原因になります。

過去の研究で、1日に食べる量が同じ場合でも、朝食抜きの2食よりも、朝食を含めて3食の方が肥満になりにくいことが明らかになっています。

人間の身体は食事間隔が長くなると食べた栄養がより吸収されやすくなるため、1日の総摂取エネルギー量が同じ場合、食事回数の少ないほうが太りやすくなるのです。

ダイエット目的で朝食をとらない方もいますが、これはむしろ逆効果です。

 

野菜やきのこなどから食べよう

朝食に限ったことではありませんが、いきなりごはんやパンから食べはじめるのではなく、サラダやあえ物、おひたし、スープなどから先に食べるのがおすすめです。

野菜やきのこ、豆類、海藻などの食品から食べはじめ、それから肉や魚料理を食べ、ごはんなどの炭水化物は最後に食べるようにします。

この順で食事をすれば、血糖値の上昇がゆるやかになり、糖質の代謝がよくなって、体に余分な糖質が残らなくなります。

また、野菜やきのこ類、豆類、海藻などは、食物繊維が豊富ですから、最初に食べておくと満腹感が得られ、食べ過ぎを防ぐことにもなります。

 

セカンドミール効果をうまく使おう

その日の最初の食事=ファーストミール(朝食)に、食物繊維(とくに水溶性食物繊維)の豊富な食品をとると、次の食事=セカンドミール(昼食)のあとまで血糖値が上がりにくくなります。

これを「セカンドミール効果」といいます。

野菜やきのこ、豆類、海藻などの食品は、糖の吸収がゆるやかなため、満腹感が長もちし、おなかもすきにくくなるので、間食をへらす効果も期待できます。

 

朝食で牛乳を飲むと1日を通じて血糖値が低下

朝食のメニューを工夫すると、1日を通じて血糖コントロールに有利に働き、2型糖尿病の管理が改善する可能性があります。カナダの研究グループは、朝食で高タンパク質の牛乳を飲んだ場合の血糖変動と、朝食後および昼食後の満足感について調べています。

朝食でシリアルとともにタンパク質を豊富に含む牛乳を飲んだときと、水を飲んだときとを比較する試験を行った結果、牛乳は食後の血糖値の上昇を抑えることが判明しました。また、朝食でタンパク質を摂取すると「セカンドミール効果」を得られ、昼食以降の食欲も抑えられることも分かりました。

牛乳に含まれるタンパク質は、大きく分けて「カゼイン」と「ホエイプロテイン(乳清タンパク質)」の2種類です。カゼインは体内への吸収がゆっくりで、乳清タンパク質は速く吸収されます。

いままでの研究からこれらのタンパク質を摂取することで、炭水化物の吸収が遅くなることがわかっています。食欲を促進するグレリンの分泌が抑えられ、食欲を抑えるホルモンの分泌が促進され、満腹感も得やすくなる効果もあります。

さらに、乳清タンパク質には、インスリン分泌を刺激する消化管ホルモンであるGLP-1の産生を高める効果もあると考えられています。

 

最後に

朝食を抜くと動脈硬化が悪化する理由と改善のコツについてまとめてみました。たかが朝食、されど朝食。

いままでより少しだけ早起きして、ゆとりのある朝時間を過ごすことができれば、動脈硬化の悪化が防げるだけでなく、気持ちにもゆとりのある朝を迎えることができるかもしれません。

© Inui pediatrics and internal medicine clinic

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