1月も後半に入り、花粉症の季節が近づいてきました。例年スギ花粉の飛散量が増えてくるのは2月に入ってからで、ピークは3月頃ですが、すでに飛散は始まっており、受診される方も少しずつでてきています。
花粉症は、症状が出る前から対策や治療を始めることで、飛散量が増えてからの症状を和らげることができるので、早めの対策が重要です。
今回は家庭でできる対策と病院で行う治療について解説していきたいと思います。
日本気象協会HPより
日本気象協会によれば今年の花粉の飛散量は、過去10年で最も多かった昨年よりも少なめではあるものの、全国的に例年よりやや多め、という予想となっています。
また今年の1月から2月は、気温が東日本、西日本で平年よりやや高めとなり、春のスギ花粉の飛散開始は、東日本と西日本で例年よりも5日ほど遅くなる見通しのようです。
花粉に触れる機会・量を減らすことが大切です。
花粉の飛散状況を確認し、飛散の多いときには外出を控えたり、念入りに対策したりしましょう。具体的な対策としては以下のものがあります。
病院で行う治療にはアレルギー反応そのものを抑えることが目的の減感作療法と、症状を抑えることが目的の薬物療法があります。
(1)減感作療法
減感作療法は、花粉の飛散が少ない6月以降に行い、冬から春先にかけては症状を悪化させてしまうおそれがあるため、行いません。
※減感作療法について詳しく知りたい場合は
「スギ花粉症が治る!?アレルゲン免疫療法(皮下・舌下免疫療法)について」をご覧ください。
(2)薬物療法
薬物療法には大きく分けて、抗アレルギー薬によるものとステロイド薬によるものがあります。
抗ヒスタミン剤などの抗アレルギー薬は、「自分の体を守ろうとして」放出した武器(ヒスタミン、ロイコトリエン)を使えなくする薬です。
即効性に欠けるため、花粉飛散開始の1~2週間前からの服用が必要といわれています。副作用で眠気がでることがあります。
ステロイド薬は、「体内を守ろうとする働き」を抑える薬です。
即効性がありますが、反応しなければならないウイルスにも反応しづらくなるなどの副作用が出る可能性があるため、内服薬は必要に応じて。原則短期間の使用にとどめます。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりがつらい方には、鼻噴霧用ステロイド薬を使用します。こちらはステロイド薬としての副作用はほとんどないとされています。
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