血圧の上と下の違いと脈圧について|高崎市 乾小児科内科医院|アレルギー科・循環器内科(心臓血管内科)

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血圧の上と下の違いと脈圧について

2019.02.26

乾小児科内科

 
 

血液は、心臓が収縮したり、拡張したりすることで全身に送り出されていますが、このとき血液が血管の壁を押す圧力を血圧といいます。

血圧には大きい数字(上の血圧)と小さい数字(下の血圧)があります。今回はこの数値について考えてみたいと思います。

 

収縮期血圧とは

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「上の血圧」のことを収縮期血圧いいます。
心臓がポンプの働きをして、血液を全身に押し出しているとき(これが収縮期)の血圧です。

押し出された血液は動脈に一気に流れ込むため血管には最も強い圧力がかかり、血圧は最大の数値を示します。140mmHg未満が正常とされています。

動脈硬化により血管に十分な弾力性がなければ、衝撃を吸収することができなくなり、収縮期血圧が上がります。

 

拡張期血圧とは

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「下の血圧のことを拡張期血圧」といいます。拡張期血圧は、心臓が血液を送り出した後に、全身から戻ってきた血液を貯めて膨らんでいる時の血圧のことをいいます。

拡張期には血管にかかる圧力は最も低く、血圧は最小の値となります。90mmHg未満が正常とされています。

心臓に直結した大動脈は、心臓の収縮期に膨らんで血液を一部貯め込みます。
膨らんだ大動脈は、心臓の拡張期に血管の弾力性によって元の太さに戻り、その時に血管内に貯め込まれていた血液は末梢の血管に押し出されます。

このような機能により、常に血液が体内を循環している状態が保たれています。高齢者の場合、大動脈の動脈硬化により復元力が作用せず、拡張期血圧は低下しやすくなります。

拡張期血圧が高くなるのは、手足の血管の動脈硬化などにより血管の抵抗が増している状態なのです。

 

若中年者では拡張期血圧、高齢者では収縮期血圧が上がりやすい

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拡張期高血圧と収縮期高血圧を年齢別にみると、若中年者では、拡張期高血圧が主となり、加齢とともに収縮期高血圧が主となります。
拡張期高血圧から収縮期高血圧に移行するのは55歳頃とされています。

若中年者では、ホルモンや交感神経などの影響からによって手や足先の末梢細動脈が縮み、血圧を上昇させます。

そのため、心拍出量の影響を受けない拡張期の血圧がまず上昇します。

加齢とともに大動脈壁硬化が進行すると、収縮期血圧の上昇、拡張期血圧の減少という機転がこれに加わり、収縮期の上がりが大きめの高血圧に変化していきます。

 

血圧が高いと脳卒中になりやすい

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高血圧は「高血圧治療ガイドライン 2014」では、収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上、とされており、どちらが高くてもリスクになります。

血圧の高い状態が続くと、動脈硬化が徐々に進み、将来的に心臓病や脳卒中にかかりやすくなります。

収縮期血圧値120mmHg 未満かつ拡張期血圧値80mmHg 未満の方に比べ、収縮期血圧160mmHg 未満、拡張期血圧100mmHg 未満の方は 3.3 倍、収縮期血圧180mmHg または拡張期血圧110mmHg 以上の方は 8.5 倍脳卒中にかかりやすいことが報告されています。

さらに、高血圧は腎臓病や眼底出血等の原因にもなります。

 

収縮期血圧と拡張期血圧の差「脈圧」

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収縮期血圧と拡張期血圧の差を「脈圧」といいます。脈圧は大動脈硬化の程度を反映します。明確な正常値は示されていませんが、45mmHg以下程度が正常といえるでしょう。

大動脈というのは、心臓からの血液を送り出しているもっとも太い動脈です。

この大動脈に動脈硬化が起こり、伸展性がなくなると、大動脈壁の血流緩衝作用が失われるので、血液を駆出している収縮時の血圧は高くなり、血液が駆出されていない心臓の拡張時の血圧は著しく低下してきます。

つまり、血圧の上と下の差が開く(脈圧が大きい)ということは動脈硬化が進行していることを意味します。

諸説ありますが、脈圧が70mmHg以上の場合には動脈硬化が進んでいる可能性があり、注意が必要です。

また脈圧が小さいというのは、心臓が拡張しているときにも大動脈から血液が末梢血管に流れにくくなっている状態です。ほとんどの場合は、拡張期血圧が上がることで生じます。

塩分のとりすぎ、ストレスの多い生活や睡眠時間の短い生活などを避け、高血圧を引き起こしにくい生活習慣を心がけてみてはいかがでしょうか。

 

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