日本初のRSウイルスワクチン「アレックスビー」の効果や特徴は?|高崎市 乾小児科内科医院|アレルギー科・循環器内科(心臓血管内科)

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日本初のRSウイルスワクチン「アレックスビー」の効果や特徴は?

2024.01.22

ピークは過ぎた印象はあるもののまだまだインフルエンザの流行は収まらず、新型コロナウイルス感染症も見かける昨今、特に感染時のリスクの高いご年配の方は感染症に気を使われていると思います。

RSウイルスは日本を含め世界中に分布しているウイルスで、2歳までにほとんどの子どもがかかる、代表的な風邪のウイルスです。

一度かかったら抗体ができてかからなくなる、といったことはなく何度も感染してしまいます。

軽い風邪ですむことも多いものの、乳幼児の肺炎の50%、急性細気管支炎の50~90%がRSウイルスとも言われており、つらい症状を起こすこともあります。

成人がRSウイルスに感染した場合、風邪のような症状であることが多いことから、RSウイルスに感染したと気付かないことがあります。というよりも「風邪ひいたなぁ」といっている場合、RSウイルスが原因のこともある、といった感じでしょうか。

今回は、2014年1月15日発売になった日本初のRSウイルスワクチン「アレックスビー」についてみていきたいと思います。

 

どうしてRSウイルスワクチンが開発された?

先ほどRSウイルスは成人の場合、「風邪」として扱われていることが多いとお話ししました。

症状に特徴的なものがあるわけでもありませんし、通常やりませんが検査をして仮に診断ができたとしても特別な治療があるわけでもないためです。

しかし、基礎疾患のある方や高齢者においては、 RSウイルス感染症により重症化のほか、基礎疾患の重篤な症状を引き起こす場合もあることもわかっています。

アメリカでは年間推定520万人が急性呼吸器感染症を起こし、47万人が入院し、3万3千人が死亡しているという報告もあります*1。

また、日本でも毎年60歳以上の成人でRSウイルス感染症によって約63,000人の入院と約4,500人の院内死亡が推定されています。

それにも関わらず、RSウイルス感染症に対して確立された専用の治療法はなく、症状を緩和する対症療法が中心となっています。

そこで、高齢者向けのRSウイルスワクチンが開発され、発売となったのです。

 

ワクチンの効果について

アメリカの感染症対策の司令塔であるCDCがまとめた60歳以上の24,994人を対象としたデータによると、RSウイルスワクチンの有効性は以下の通りとなっています。

・RSウイルスに感染するのが約4分の1~5分の1になる
・RSウイルスによる入院が約5分の1になる
・酸素や人工呼吸を必要とするほど重症になるのが約5分の1になる

アメリカではインフルエンザ感染により2022~2023年シーズンだと36万人が入院し、2万1,000人が死亡しています。
RSウイルスが16万人入院し、1万人死亡していることを考えると、RSウイルスはインフルエンザと同程度かやや上の「脅威」といえるでしょう。

また、RSウイルスに治療薬がないことを考えると、呼吸器や心臓などのリスクがある方や高齢者は接種を検討してもよいでしょう。

 

どんなワクチン?

RSウイルスワクチン「アレックスビー」は1回0.5mlを筋肉注射するワクチンです。

主な副反応としては
添付文書に出現頻度が10%以上のものとして

・疼痛(注射部位)
・頭痛
・筋肉痛、関節痛
・疲労

がいます。

 

値段と摂取回数は?

RSワクチンの接種費用は医療機関によって若干異なりますが、当院では
27500円(税込)で行なっています。

RSウイルスワクチン「アレックスビー」は、1回接種であり、筋肉注射となります。不活化ワクチンなので、新型コロナワクチン以外のどのワクチンとも接種間隔をあけずに接種することができます。
(新型コロナワクチンは2週間あければ接種することができます)

*1 Savic M et al. Influenza Other Respir Viruses 2023 Jan;17(1): e13031.

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