インフルエンザワクチンの中身が毎年違うって知っていました?|高崎市 乾小児科内科医院|アレルギー科・循環器内科(心臓血管内科)

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インフルエンザワクチンの中身が毎年違うって知っていました?

2019.09.27

インフルエンザワクチンの中身が毎年違うって知っていました

 
 

例年よりも早めに流行の報告が出ているインフルエンザですが、本格的な流行は例年11月以降であることが多く、10月頃から予防接種を開始する医療機関が多いかと思います。
このワクチンの中身ですが、毎年少しずつ違っていることをご存知でしょうか。

 

インフルエンザはA型とB型の2つでなく細かく分けると実はたくさんある

インフルエンザワクチンの中身が毎年違うって知っていました

インフルエンザウイルスは、直径90-120nm(1nm=百万分の1mm)の球状のウイルスで、A型、B型、C型があります。ヒトに感染するのはA型とB型です。

ウイルスの表面には小さな突起物がたくさんあって、これで宿主の細胞にくっついて中に入り込みます。ウイルス表面に400~500個ある突起はスパイクと呼ばれ、HA(赤血球凝集素)とNA(ノイラミニダーゼ)という物質の組み合わせです。

A型にはHAは16種類、NAは9種類があり、この組み合わせだけでも144種類もの型(亜型と呼ばれます)があるのに、同じ亜型の中でもわずかな変化を常に起こします。

ちなみにB型とC型には1つの亜型しかありません。

 

亜型がたくさんあるのでワクチンが難しい

年によって流行のパターンは変わりますが、ひとつの型だけが流行するということではありません。その中でも流行が予想されるウイルスを中心にA型2種類B型2種類のウイルスに対して免疫を作る抗原が含まれた4種混合ワクチンが使われています。

 

ワクチンの中身が決まるまで

インフルエンザワクチンの中身が毎年違うって知っていました

流行が予想される型のウイルスに対応したワクチンを選ぶため、シーズンごとに中身の見直しが行われており、世界保健機関(WHO)のもと、世界インフルエンザ監視・対応システムにより、世界中の流行情報が収集されています。

インフルエンザワクチンの中身が毎年違うって知っていました

WHO HPより

WHOでは、北半球用および南半球用のワクチン株を選定するために年2回(2月と9月)会議を開いています。
北半球という分類なので、例えば日本とアメリカでは同じ株が選定されている、ということになります。

ただし、WHOが推奨するワクチン株は類似株で、特定のウイルス株に限定した推奨はされません。

WHOは「ワクチン株は各国の責任において、自国の流行の実情にあわせて選定しましょう」という考えのもと、選定のための参考例を提示するというスタンスなのです。

この結果もふまえて国内で会議を行い、実際の作りやすさなども考慮し、厚労省より株決定の通知がなされています。内容は厚労省のHPでも公開されています。

ワクチンを作るのに世界規模のデータ収集と検討がなされていて、それをもとに毎年変わっていくインフルエンザウイルスに対応しているのですね。

 

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