特定の食物を摂ると、数時間以内にかゆみ、赤み、発疹などがでる方は食物アレルギーの可能性があります。
私たちのからだには、ウイルスや細菌などを排除し自分の健康を守る「免疫」という仕組みがあります。アレルギーとはこの免疫が特定の物質に対して過剰に起きてしまうことをいいます。中でも食べ物に対して過剰反応が起きてしまうものを「食物アレルギー」といいます。
群馬県教育委員会の調査結果によると2016年度に県内の公立小中学校、高校で食物アレルギーを申し出た生徒は11267人で全体の5.6%、およそ20人に1人という割合で調査開始以来、徐々に増加傾向です。
原因食品を食べてから数分から数時間で、上の図にお示しした症状が1つあるいは複数現れます。最も多いのが皮膚症状で、およそ10人のうち9人に出現します。呼吸器症状、粘膜症状、消化器症状なども同時または別々に出現します。
食物アレルギーが起きる年齢としては0歳が29.4%と最も多く、2歳までが約60%になります。11歳以下の発症が90%を占めますが、それ以降の年齢でも一定数の方が発症しています。
原因となる食品としては鶏卵、牛乳、小麦が多く、上位3食品で全体の約73%を占めています。
ただし年齢によって原因食物の種類は異なり、3大原因食物は乳幼児期に多く、学童期以降は甲殻類、果物類、魚類などが増えてきます。大人で多いのは、小麦、魚類、甲殻類、そば、果物類などです。
こちらの表は年代別に新規に発症する食物アレルギーの原因食材を世代ごとに上位3食品をまとめたものです。特に幼児期では食物アレルギーの存在が比較的有名な鶏卵やピーナッツよりも果物のアレルギーの頻度が高いことから注意が必要です。
食後にかゆみ、赤み、発疹などの症状が出たからといって、すぐに食物アレルギーと断定することは難しく、自己判断による食事制限は、成長期のお子様に必要以上な負担をかけてしまう恐れもあります。
食物アレルギーかもしれないと思ったらまずは一度かかりつけの医療機関で相談してみるといいかと思います。
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乾小児科内科医院
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