糖尿病って遺伝する?親が糖尿病だと絶対糖尿病になるのか|高崎市 乾小児科内科医院|アレルギー科・循環器内科(心臓血管内科)

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糖尿病って遺伝する?親が糖尿病だと絶対糖尿病になるのか

2024.05.09

糖尿病外来をやっていると患者さんから「親が糖尿病なのですが私は糖尿病になるのでしょうか?心配です」といった質問を受けることがあります。

今回は糖尿病が遺伝する病気かどうかについてまとめていきたいと思います。

糖尿病は遺伝する要素があるがタイプによって異なる

糖尿病は遺伝する要素のある病気です。ただし、両親が糖尿病だからと言って、子供が必ず糖尿病を発症するわけではありません。

糖尿病の発症には、両親から受け継いだ遺伝的因子に加えて、食べ過ぎや脂っぽい食事のとりすぎといった食生活、運動不足などの環境因子が影響します。

糖尿病には、1型糖尿病、2型糖尿病などのタイプがあり、タイプによって遺伝の影響が異なるためそれぞれについてまとめていきます。

1型糖尿病の遺伝性について

1型糖尿病は「インスリンを分泌している細胞が何らかの理由により破壊されインスリン分泌が枯渇して発症する糖尿病」です。

まだ原因が完全には明らかになって部分もありますが、1型糖尿病は後述する2型糖尿病(一般的に糖尿病といったらほとんどの場合は2型になります)に比べると遺伝性の要因は低く、通常は遺伝しません。

近年のゲノム解析の研究から1型糖尿病の発症に関連するいくつかの遺伝子が報告されていますが、欧米白人と日本人ではその影響の強さや種類が異なっており、人種差も考慮する必要があります(1型糖尿病は日本人よりも欧米人の方が多い)。

2型糖尿病の遺伝性について

2型糖尿病は最も多いタイプの糖尿病で、「糖尿病」といった場合2型糖尿病を示すことが多いです。

遺伝的素因によるインスリン分泌能の低下に、環境的素因としての生活習慣の悪化に伴うインスリン抵抗性が加わり、インスリンの相対的不足に陥った場合に糖尿病を発症します。

一般的に生活習慣病と称されるタイプの糖尿病が2型糖尿病ですが、「食べ過ぎ、太り過ぎ、運動不足」といった方が全員糖尿病になるわけではありません。

生活習慣の乱れに加えて、インスリン分泌がもともと少ないといった糖尿病になりやすい体質(遺伝的素因)を持っている方が糖尿病を発症するのです。

2型糖尿病には遺伝性があることが知られており、過去の研究では2型糖尿病患者さんの兄弟では2-3倍、両親が2型糖尿病であるとその子供は3-4倍発症しやすいと報告されています。

まとめ

糖尿病のなりやすさの遺伝素因は人により程度が異なり、そこに環境因子が種々の程度で加わり、2型糖尿病を発症します。

家族に糖尿病の方がいる場合は、家族みんなで環境因子である生活習慣、つまり食生活や運動習慣などを見直すことが、糖尿病の発症予防に有用です。また、家族に糖尿病の方がいない場合でも、油断せず、適切な食生活、適度な運動習慣を持つことで糖尿病を含めた生活習慣病の予防につながります。

さらに、もし糖尿病を発症しても早期に発見できるように、定期的に健康診断を受けることも重要です。

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